大阪公立大学の入試対策<理系学部編>

大阪公立大学の入試対策<理系学部編>

本ページでは、大阪公立大学の受験生に向けて大阪公立大学の理系学部の入試情報・入試傾向・入試対策を解説します。

大阪公立大学は2022年4月に「大阪府立大学」と「大阪市立大学」が統合して設立された大学ですが、最近非常に注目度の高い大学です!

こちらの記事でも解説しましたが、学部学科によっては旧帝大に引けを取らない難易度になっているので、しっかり情報を仕入れ確かな戦略をもって受験に臨みましょう!

大阪公立大学のレベルは?偏差値を旧帝大と比較してみた!
2022年4月に「大阪府立大学」と「大阪市立大学」が統合して設立された大阪公立大学ですが、入試難易度は実際どれくらいのレベルなのかを共通テストボーダーや偏差値を…

大阪公立大学合格には、
共通テストの対策が重要!

大阪公立大学に合格するためにまずしなければならない事は、二次試験対策よりも共通テストの対策です!

その理由は、共通テストボーダー得点率が非常に高いことにあります。

二次試験の科目別対策の前に、まずはこのことをしっかり確認しておきましょう!

大阪公立大学の共通テストボーダー得点率は?

共通テストボーダー得点率とは、河合塾が毎年更新している、合格率が50%となる共通テストの得点率のことです。

ここで、大阪公立大学の理系学部のボーダー得点率を見てみましょう。

学部ボーダー得点率
医学部67%~86%
獣医学部79%
工学部70%~77%
現代システム科学域69%~74%
理学部68%~72%
生活科学部69%
農学部68%~69%
2023年度 大阪公立大学 理系学部のボーダー得点率(前期入試)

上の表を見ると、大阪公立大学 理系学部のボーダー得点率は約67%~77%と、高い得点率が必要であることが分かります。

二次試験の対策も大事ですが、まずはしっかり共通テストの対策から行い得点率を安定させることが重要になります!

大阪公立大学の共通テストの配点は?

大阪公立大学の共通テストと二次試験には傾斜配点があります。

例えば大阪公立大学 工学部の場合、

共通テスト二次試験
数学130250380 (32%)
理科130200330 (28%)
英語[リ]140[35]150290 (24%)
国語140140 (12%)
社会6060 (5%)
600 (50%)600 (50%)1200
2023年度 大阪公立大学 工学部の科目別傾斜配点

上の表から分かる通り、大阪公立大学 工学部の配点は数・理・英で約84%とほとんどを占めていますが、共通テストの国語の配点は140点と意外と大きいので、理系だからと言って国語の勉強を怠ってはいけません。

また、学部・学科によって配点は異なるので、必ず志望学部・学科の傾斜配点を調べておくようにしましょう。

大阪公立大学の二次試験の対策

大阪公立大学の二次試験の目標点数は?

二次試験での目標得点率を、2022年度入試の共通テストボーダーと合格最低点から割り出した目安がこちらです。

※共通テストの得点が共通テストボーダーと同じとしたときの、合格に必要な最低得点率を表示しています。

学部・学科等共通テスト
ボーダー
二次試験
目標得点率
医-医(一般枠)81%71%
医-リハ-理学療法学66%74%
医-リハ-作業療法学63%73%
現代システム科-心理(理・数型)67%73%
現代システム科-知識情報システム67%51%
現代システム科-環境社会システム(理・数型)64%66%
工-航空宇宙工75%55%
工-情報工72%60%
工-建築71%58%
工-化学工70%57%
工-電気電子システム工70%61%
工-電子物理工70%57%
工-マテリアル工69%54%
工-応用化学69%57%
工-機械工69%57%
工-化学バイオ工68%55%
工-海洋システム工68%56%
工-都市68%56%
獣医-獣医75%58%
生活科学部-食栄養(理数重点型)70%57%
生活科学部-食栄養(均等型)67%55%
農学部-生命機能化学67%60%
農学部-応用生物科学66%62%
農学部-緑地環境科学66%55%
理学部-生物化学68%50%
理学部-生物66%48%
理学部-物理66%53%
理学部-数学65%55%
理学部-地球65%49%
理学部-化学64%52%
大阪公立大学理系の二次試験 目標得点率

上の表から、共通テストの得点がボーダーに達している場合、二次試験での得点率は約50%~60%で合格できることが分かります。

過去問演習をする際にも重要になってくるので、自分の志望学部・学科の二次試験の目標点数は必ず確認しておくようにしましょう!

大阪公立大学の科目別の対策

大阪公立大学の2022年度の過去問と、前身の大阪市立大学の過去問を研究し、科目別の傾向と対策をまとめました。

なお、大阪公立大学の入試問題は大阪市立大学の過去の入試問題と同じ傾向ですので、過去問演習をする際には注意しましょう。

大阪公立大学の英語

大阪公立大学の英語の入試対策はこちらの記事で詳しく行っております↓

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大阪公立大学の数学

大阪公立大学の数学の傾向

難易度:ⅠAⅡBⅢ→やや難、ⅠAⅡB→標準

大問数:4題

解答時間:ⅠAⅡBⅢ→120分、ⅠAⅡB→90分

数学ⅠAⅡBⅢの傾向
  • 全問記述式
  • 微積、極限、確率、複素数が頻出
  • 証明問題も頻出
  • 誘導的な小問が多いが計算量が多く、中には難問もあるので注意
数学ⅠAⅡBの傾向
  • 全問記述式
  • 微積、ベクトルが頻出だが、まんべんなく出題される
  • 標準的・典型的な問題が多いが、まれに難問が見られる
  • 計算量が多く、複雑な式変形を求められることも

大阪公立大学の数学の対策

①まずは「青チャート」などの問題集を周回して典型問題をしっかり解けるようにしましょう!

二次試験での目標得点率を考えると、大問の最後の難問は正解できる必要はありません。

②特に微積の問題は式変形・数値計算が煩雑になるケースが多いです。焦らず正確に計算を行う練習をしましょう!

計算ミスを減らすコツは、一つ一つの式変形を丁寧かつ見やすい文字でゆっくり書くことです。早く解こうという意識ゆえに焦って汚い字で書いてしまうと、計算ミスに気づいたとしても見返すことができません。

③最後に、全問記述式なので、答案作成力が必要になります!日ごろから式と式の間の文章を書いていない人は、本番でも減点されない答案を書くことはできません。どんな問題でも必ず本番を意識した答案作成をし、できれば先生に添削をしてもらいましょう。

数学の対策
  • 難問は捨てて良し!典型問題を繰り返し練習しよう!
  • 煩雑な計算もゆっくりと丁寧に行い、正確さを重視しよう!
  • 記述の練習をし、減点されない答案を作成しよう!

大阪公立大学の理科

解答時間:2科目150分

大阪公立大学の理科は全体的に標準的な問題が多いですが、どの問題も思考力や理解力を問う良問ばかりなので、単純な暗記は通用しません!現象を暗記するのではなく参考書などを読み込み理解することを意識して学習しましょう。

また、2020年度の大阪市立大学の化学の溶解度積の問題のようにまれに難問が出題されていますが、このような難問を解けるようにする必要はありません。基本的・標準的な問題をしっかり正答できれば合格点に届くので、普段の学習から標準的な問題の完成度を高めることを意識しましょう!

大阪公立大学の物理の傾向

難易度:標準

大問数:3題

解答時間:2科目150分

問題は標準的なものがほとんどですが、例えば運動方程式の力の符号など、公式を暗記しているだけでは歯が立たない良問が出題されています。

物理の傾向
  • 全問記述式、導出過程の記述も必要
  • 力学・電磁気は毎年出題、波動・熱・原子分野からの出題も
  • 標準的な問題だが、公式の正しい理解ができているかを求められる

大阪公立大学の物理の対策

①「良問の風」などの標準的な問題集を繰り返し解き、典型問題を解けるようにしましょう!

よくあるテーマからの出題が多いので、特に力学・電磁気分野の問題演習でたくさんの経験を積んでおくことが第一です。

②次に、問題演習を通じて、公式の理解を深めましょう!特にベクトル量の符号のミスは命取りになります。過去問演習の際は不正解だった問題がなぜそうなるのかを徹底して理解するようにしましょう。

③最後に、答案作成の練習をしましょう!物理での記述に慣れていない人は問題集や過去問の解答を参考に記述の仕方を学び、できれば先生に添削してもらうのが望ましいです。

物理の対策
  • 頻出テーマに対応するべく、標準的な問題集を完成させる!
  • 公式暗記ではなく理解をする学習を心掛ける!
  • 記述式の答案作成の練習をする!

大阪公立大学の化学の傾向

難易度:標準

大問数:3題

解答時間:2科目150分

基本的な用語の穴埋め問題が多く出題されており、2020年度の大阪市立大学の溶解度席の問題など一部難題は出題されてはいますが、ここ2年間は標準的な問題のみの出題です。幅広い分野の基本事項をしっかり押さえていれば完答を狙える問題も出題されています。

化学の傾向
  • 基本的な用語等の穴埋め問題が頻出
  • 計算問題は標準的なものがほとんど
  • 無機分野、有機分野の構造決定は毎年出題されている
  • 2022年度は有機分野の実験やそれに伴う記述問題も出題された
  • 2022年度はそれ以前に比べ易化したが、油断はできない

大阪公立大学の化学の対策

①「重要問題集」などの標準的な問題集を繰り返し解き、幅広い分野の基本的な穴埋め問題や計算問題に対応できるようにしましょう!無機・有機分野だけでなく理論分野からの穴埋め問題も出題されています。

②2022年度は無機分野から多く出題されました。受験生がサボりがちな暗記ですが、覚えてさえいれば高得点を狙える問題なので、必ず暗記を徹底して入試に臨むようにしましょう!

構造決定問題は必ず練習して高得点を狙いたい問題です。また、2022年度は有機分野の実験に関する記述問題も出題されたので、今後も注意が必要です。

化学の対策
  • 標準的な問題集で、基本の穴埋めと計算問題の練習を!
  • 無機分野の学習は徹底的にやって損はナシ!
  • 有機分野は特に構造決定問題の練習をし、高得点を狙う!

大阪公立大学に合格するには

ここ最近注目度の高い大阪公立大学、共通テストボーダーは年々上がっていくと予想されます。まずは共通テストでの得点率を安定させるのが第一です!

二次試験の問題はどの教科も標準的な問題が多いので、今まで取り組んできた問題集の復習をしっかり行うことが合格への近道になります。とにかく基本に忠実に何度も何度も繰り返し学習する意識を大切にして、頑張ってください!!

大阪公立大学のレベルは?偏差値を旧帝大と比較してみた!
2022年4月に「大阪府立大学」と「大阪市立大学」が統合して設立された大阪公立大学ですが、入試難易度は実際どれくらいのレベルなのかを共通テストボーダーや偏差値を…
 教務主任 中西将太
 教務主任 中西将太

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